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飛騨の開運アイテムは 世界に一つの我が家オリジナル
山桜神社 馬頭尊 絵馬市
高山市内や飛騨地区のお店や飲食店に入った時、玄関に貼ってある和紙の「紙絵馬」を目にした方も多いのではないでしょうか。
本来、絵馬とは願い事を書いた木札を神社に奉納するものですが、飛騨では絵馬と言えばこちらの紙絵馬。
1年の幸運を呼ぶ縁起物として家庭でも、また会社の玄関などにも見られ、親しまれているものなんです。
今回は、年に一度、恒例の絵馬市でにぎわう山桜神社馬頭尊へおじゃましました。
「はい一千万両!」「こちら一億万両!」と景気のいい一万倍の「松倉相場」でやりとりされる絵馬市は、毎年8月1日~15日にご開帳となり、絵馬を買い求める多くの地元客や観光客でにぎわいます。
幸運が駆け込むようにと、馬が外から「駆け込んでくる」ように貼るのが習わしで、玄関の位置によって購入するため、馬の向きは二種類。大きさは大中小特大と、別注で色紙、カスタムサイズなどもあり、その場で家名や企業の商号などが書き加えられます。
絵馬市の行われる山桜神社は、本町二丁目商店街にひっそりとたたずむ小さなお社。近くで茶と茶道具専門店を営み、同組合理事長を務める松野裕さんは、現在、萬游馬(まんゆうば)というフリーハンドで馬を描ける数少ないメンバーのお一人です。
「絵馬市が始まったのが戦後およそ70年前、商店街のメンバーがボランティアで社務所に集まり、馬の下絵描きや色塗り工程など役割を分担しながら紙絵馬の製作に励みます。私も色付けは30年、絵を描くようになって7~8年でしょうか。」
馬の絵型に、一筆で勢いよく書き上げられたタテガミや尾が、生き生きとした躍動感を感じさせてくれます。
山桜神社の由来は、飛騨国高山城主・金森頼直の愛馬「山桜」が1657(明暦3)年、江戸大火の際、炎上する江戸城中から主君を背に百間掘を飛び越え救ったといういわれに始まります。
晩年、代官屋敷がある本町筋に山桜の厩舎が建てられ、その死後に祠を建て馬頭さまとして祀られ、重要文化財の火の見櫓もあるように、鎮火の守り神としても親しまれています。
山桜が葬られた松倉山(現在の民族村地内)の馬頭観世音に毎年八月紙絵馬を奉納したのが、この絵馬の始まりで、農耕に欠かせなかった牛馬の安全や、「家内安全」「商売繁盛」「火の用心」「百寿百福」などを祈願し、家の玄関に貼るのが習わしとなっています。
1年守ってくれた絵馬は、この日供養に持ち寄る方もあれば、近隣の神社のどんど焼きに供養に持ち込んでも良いのだそうで、地元のみならず観光の方や、最近は海外の方が買い求められる姿も多くみられるようになりました。
飛騨の開運アイテムとして、願い事をかけた飛騨の紙絵馬、お名前を入れてオリジナルなものをぜひ一頭、いかがですか?
絵馬市期間外は通信販売やオーダーも可能です。
2020/06/26 更新 取材協力:山桜神社
山桜神社
アクセス | 住所:〒506-0011 岐阜県高山市本町2丁目65 TEL :0577-33-9224(8月1日10時~10日15時) |
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開催日 | 例年8月1日~8月10日 10:00~15:00 |