地元民がとっておきにしている“たばる”な情報を突撃取材!
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秋の高山をカメラに収める!
飛騨の紅葉&黄葉(近隣地域編)
地元のフォトグラファー比呂池さんに飛騨のおすすめ紅葉スポットとベストショットを取るためのとっておき情報を教えてもらうこの企画!今回は市街地を離れ高山近隣地域のおすすめ撮影ポイントをご紹介いたします!
>市街地の紅葉スポット情報はこちら
その1 平湯峠(高山市 丹生川町・奥飛騨温泉郷)
比呂池がその年最初に紅葉を撮りに行く名所が標高1684mの平湯峠です。カー規制のため、平湯峠付近の交通量は比較的少なく落ち着いて撮影することができます。そして、“ある条件”になるとほとんど貸し切り状態で撮影することができてしまいます。
【“ある条件”とは?比呂池さんのとっておき情報】
夜間雲がないときは放射冷却(地表から上空に熱が逃げて地表の気温が下がる現象)が強まり、早朝はその秋の最低気温を記録することがよくあります。そんな日は平湯峠を越えてさらに標高が高いところまで行った乗鞍スカイラインでは氷点下となり路面凍結で通行止となります。
国道158号線から平湯峠へ上る分岐地点に道路情報板があり「乗鞍スカイライン凍結通行止」と表示されるため、平湯峠までは上れるにもかかわらず上って行く車はほとんどありません。
放射冷却が強い日は昼間天気がよくなるので、快晴の青空のもと紅葉を撮影することができます。それもほとんど貸し切り状態で・・・。
お昼近くになると乗鞍スカイラインの凍結通行止は解除となり、多くの車が平湯峠へ上って行くので貸切状態での撮影は午前中が勝負です!
- 【紅葉&黄葉情報】
- 見ごろ時期:10月中旬~10月下旬
- 【車での行き方】
- ・高山グリーンホテルからの距離約32km 車で約50分
※時間は目安であり天候交通状況等により変わります
その2 がんだて公園(下呂市 小坂町)
小坂町は、御嶽山(岐阜・長野県境 標高3067m)の麓で大小200以上もの滝がある「日本一滝の多い町」です。巌立(がんだて)とは、5万4千年の昔 御嶽山が大噴火し流れ出た溶岩が固まり台地となり、河川により侵食された溶岩台地の断面です。
- 【紅葉&黄葉情報】
- 見ごろ時期:10月中旬~10月下旬
- 【車での行き方】
- ・高山グリーンホテルからの距離約36km 車で約60分
※時間は目安であり天候交通状況等により変わります
その3 宇津江四十八滝(高山市 国府町)
標高1200mの滝上川を源として急な谷あいにそれぞれ名称がつけられた滝が13もある宇津江四十八滝。最も大きな滝は王滝(落差18m)。渓流と樹々のコントラストが素晴らしく岐阜県名水50選地に指定されています。約800mに渡る滝めぐりハイキングコースは四季をとおしていい写真が撮影できます。
【本格的な撮影をするポイントは?比呂池さんのとっておき情報】
滝めぐりハイキングコースは全長約800mでそれほど長くはありませんが、大部分は急な上り坂です。カメラ好きなら交換レンズは広角~望遠まで体力と鞄のスペースが許す限り持ちたいところですが、三脚を持つべきかどうか迷います。
しかし、レンズを減らしてでも三脚は持つべきと比呂池は断言!します。よく見ると滝壺に漂う木の葉は渦を描いています。シャッタースピードを数秒にすると木の葉トルネードを写すことができ、持つべきか迷った三脚が大活躍します。また、日が差す時でもシャッタースピードを長くできるようNDフィルターも必要です。
- 【紅葉&黄葉情報】
- 見ごろ時期:10月中旬~10月下旬
- 【車での行き方】
- ・高山グリーンホテルからの距離約17km 車で約30分
※時間は目安であり天候交通状況等により変わります
その4 白川郷&大白川(白川村)
世界中から多くの観光のお客さまが訪れる「世界文化遺産 白川郷」。荻町城跡展望台から見た合掌集落と「三つ子の合掌造り」の上町は、皆さんおなじみの撮影スポットです。天気が良いときだけでなく雨が降ってもいい写真が撮れます。
また、白川郷の冬のライトアップにも注目です。白川郷の冬のライトアップはとても有名で、多くの人が訪れます。そのためライトアップされた合掌家屋の周囲には三脚を構えたカメラマンが並び、ゆっくりと写真を撮るのは大変です。
そんな白川郷のライトアップを比較的ゆっくりと楽しめるのが、秋に行われる合掌造り民家園の紅葉ライトアップです。
野外博物館 合掌造り民家園は、自然によりそって生きてきた白川郷の人達の歴史や文化を保存公開している施設です。多くの合掌造りが移築され、昔話の世界が再現されています。白川郷の入口にありながら博物館になっているため、昼間は観光して夜に紅葉のライトアップ鑑賞をするコースで楽しむのもおすすめです。世界遺産となり多くの人が訪れるようになった白川郷ですが、過去の集団離村などの悲しい歴史についても紹介されていますので、ぜひご覧ください。
また、カメラマンにはたいへんありがたいことに三脚を使用した撮影もOKで、園内の池に映る逆さ合掌も撮影ポイントのひとつです。昼と夜で違った表情を見せてくれる紅葉をぜひ楽しんでみてください。
【ガイド付きツアーもおすすめ】
紅葉の魅力は夜のライトアップだけでなく、もちろん昼間の秋晴れの下で鑑賞する紅葉も風情があって魅力的♪そんな紅葉を見ながら、白川郷の歴史にも触れられるツアーがあります。
有名な白川郷ですが、その歴史や裏側についてはご存知でしょうか?なぜこのような家に住むようになったのか、昔の人の使っていた道具や生活様式など世界遺産に認定された理由や裏側をガイドに聞きながら見学できるツアーもおすすめです。紅葉鑑賞とともにお楽しみください♪
- 【紅葉&黄葉情報】
- 白川郷・民家園 10月下旬~11月上旬
大白川 10月中旬~10月下旬 - 合掌造り民家園
- 2023年ライトアップ日程:
10月28日(土)、29日(日)、
11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
※イベント当日は、入園受付時刻を20:30まで延長します。(閉園時刻・・・21:00) - 料金:大人 600円
小中高生 400円 - 【アクセス】
- ・高山グリーンホテルからの距離約48km 車で約60分
※時間は目安であり天候交通状況等により変わります
野外博物館 合掌造り民家園
http://www.shirakawago-minkaen.jp
昼の白川郷もベストショットポイントがたくさん!カメラマンさながらの画がフレームに収められる見どころポイントをご紹介しております♪
車で白川郷まで来たなら30分ほど紅葉ドライブを楽しみながら大白川まで足を伸ばしてみるのもおすすめです。大白川は、白川村の南西部 霊峰白山(標高2702m)の登山口にあたり、ブナを始めとした広葉樹が多いところです。
- 【車での行き方】
- ・高山グリーンホテルからの距離約73km 車で約100分
・白川村から車で30分
※時間は目安であり天候交通状況等により変わります大白川に上る県道451号線(県道白山公園線)は、簡易舗装はされていますが道幅は狭くガードレールはほとんどありません。紅葉に見とれず気をつけて運転しましょう。
>岐阜県 道の情報
プロが教える!紅葉撮影のポイント
比呂池さんに太陽の位置や光を意識した写真をご紹介いただきました!カメラ好きの方、写真に興味のある方は必見です。
- 斜光:太陽の位置は右上 画面の外で撮影
午前中は左上方向からの光で撮影したいと思う状況ではありませんでしたが、午後は右上からの光となりました。紅葉と針葉樹のコントラストに、光のコントラストが加わりいい感じに撮れました。光が良くない時は訪れる時間を変えることも大切です。
- 半逆光:太陽の位置は上 画面の外で撮影
透過光によりオレンジに輝く紅葉に眼が行きがちですが、青空・緑の葉・黄葉をバランスを考え入れました。脇役があっての主役です。また、絞りを開放にして紅葉以外をボカしました。
- 逆光:太陽の位置は左 画面内で撮影
透過光に輝く紅葉と黒い枝のコントラストを意識して撮りました。太陽光が強烈にレンズに当たらないよう、葉の小さな隙間から太陽が見えるよう位置を調整しました。最近のレンズはコーティング性能が向上し、逆光でもフレアやゴーストが出にくくなりました。
- 曇り(全天が白い雲でおおわれている場合)で撮影
拡散光により全体に光がまわります。画面内に白い空が入ると、露出が白に引っ張られ、紅葉が暗めに写ってしまいます。そんな時は空が入る広い景色でなく、足元に潜んでいる美しいモノを探しましょう。自分だけの小さな秋を撮るのも紅葉撮影です。
地元民とっておきの紅葉スポット情報いかがでしたでしょうか?まだまだ隠れたカメラスポットもありますのでドライブや散策の際には自分だけのとっておきのスポットを見つけてみて下さい。
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飛騨の紅葉 スタッフおすすめ
飛騨せせらぎ街道
地元で秋のドライブといえば「飛騨せせらぎ街道」豊かな自然の中、紅葉が楽しめる人気スポットです。特に高山市清見町、高山から西ウレ峠まで川上川に沿って、折々美しい紅葉を見せてくれます。街道には「道の駅・パスカル清見」や、「森林公園おおくら滝」があります。西ウレ峠には駐車場もあるので、遊歩道でゆっくりと紅葉狩りを楽しむことができます。途中点在するカフェでひと休みするのもおすすめです。
※高山グリーンホテルから高山市清見町 飛騨せせらぎ街道まで車で約15分 郡上八幡までは約60分
今回のたばるネタを提供してくれた地元民
2021/8/20 更新 取材協力:比呂池写真事務所
フォトグラファー 池戸比呂志(いけどひろし)さん
高山市にある「比呂池写真事務所」のカメラマン、フォトグラファー。静物から自然、風景など様々な写真を手がけており、市内の撮影ポイントやガイドブックに載らないツウなスポットにも精通。