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飛騨里山サイクリングツアー

飛騨里山サイクリングツアー

豊かに水をたくわえた田んぼを渡る風に乗って、どこからともなく祭囃子の稽古が聞こえてくる。そんな「日本の里山」そのままの風景が広がる飛騨市。
高山市街から車で30分。岐阜県の北端、周囲を1000メートル級の山々に囲まれ、幾筋も伸びる谷川沿いにポツンポツンと小さな平地が広がる古川国府盆地は、飛騨地方で最古と目される水田遺跡の残るいにしえからの米作地でもあります。
そんな田園風景をゆっくりと駆け抜けていくカラフルな自転車たち。今、この里山をめぐるガイドツアー「飛騨里山サイクリング」が、海外からの旅行者にも人気になっているのです。

この街の日本のどこにでもある農村風景を「いま、ここ、でしかできない旅」へと案内してくれるのは、里山エクスペリエンスを主催する㈱美ら地球(ちゅらぼし)の取締役 山田慈芳(しほ)さん。

この街の日本のどこにでもある農村風景を「いま、ここ、でしかできない旅」へと案内してくれるのは、SATOYAMA EXPERIENCEを主催する㈱美ら地球(ちゅらぼし)の取締役 山田慈芳(しほ)さん。
東京出身でご夫妻で2年に渡り世界29ヵ国を旅していた山田さんが、飛騨市でサイクリングのガイドツアーを始めたのは2010年。
「世界各国を廻って、中でも海外の田舎でそこに暮らす人々の姿や文化、食べ物に触れる乗馬やカヌー、トレイルウォーキングなどのツアーが心に残っていたんです。山歩きに歴史の知識がついてきたら楽しいですよね?
そこで日本の誇れるものってなんだろう?と考えたとき、それは自然と人間が共存する場所、地方に残っているのではないか、と感じたんです。」
世界中で循環型の持続可能な暮らしが再認識され、人と自然が美しく調和した日本の里山文化こそ、その一つではないかと感じた山田さん。

旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」でも高評価を受け、参加者の9割が外国人旅行者といいます 。

旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」でも高評価を受け、参加者の9割が外国人旅行者といいます 。

ペルーのマチュピチュ遺跡を訪れたとき、ガイドが度重なる地震でも崩れなかった石垣を案内しながら「地震に強い建築が日本にあるそうですね。」と言う一言に、ハッと気付かされます。
「世界中を探しても地震の多い土地で、何百年ももつ木造建築はない。改めて木造建築や古民家への想いが強くなり、自然があって古民家があってという土地で、外国人旅行者にも魅力を発信できる場所を探し始め、縁があって飛騨市でサイクリングツアーからスタートすることになりました。」
初めはレンタサイクルかと思っていたという住民たちも、そんな旅人たちとのふれあいを楽しんでくれるようになりました。そのためには、あくまでも小グループでツアーの回数も1日2回と決め、あくまで地元の住民の暮らしを垣間見るというスタイルは守っています。

左:飛騨の遅い春、田植えが終わったばかりの水面に青空が映えます。 右:時には農作業を手伝わせてもらう事も。

左:飛騨の遅い春、田植えが終わったばかりの水面に青空が映えます。
右:時には農作業を手伝わせてもらう事も。

歩いてはいけない場所も自転車なら行ける。車では気づかず通り過ぎてしまう小さな発見や魅力も自転車なら出会えます。
青空を映す水田、田植えや稲穂のみのり、稲のはさかけ。四季折々の風景の中、自分の力で進む自転車。機械化されていない生活とともにある農作業や保存食作りなどの暮らしに触れ、小川や木立ちを抜けて古い山寺跡や古民家ではガイドによる飛騨の文化や匠の技術に触れるひととき。
中でも驚かれるのは、住民たちの泉にもなっている湧水へと案内した時だと言います。
「ただで安全で美味しい水が飲める、ここでは当たり前の様にある湧水も、世界から見れば驚きなんです。こうした風景が宝物だ、と思いますね。」

広大な森林を持つ飛騨は清冽な水が豊富。飲むこともできる湧水スポットもハイライトの一つ。

広大な森林を持つ飛騨は清冽な水が豊富。飲むこともできる湧水スポットもハイライトの一つ。

この風景は当たり前ではない、という「お客様としての感覚」を大切にするために、今も年に1度は海外に渡る山田さん。
「古民家で暮らしていますが、普段は気が付かないのですが久しぶりに帰ってくると、ああ、木の香りがする、と感じるんです。」

「暮らしを旅する」山田さんと里山サイクリングガイドとスタッフの皆さん。

「暮らしを旅する」山田さんと里山サイクリングガイドとスタッフの皆さん。

里山サイクリングのガイドは地元はもちろん、全国各地から集まったメンバーがいます。世界を旅した旅人の視点で、飛騨の暮らしをみつめ、発見した豊かな自然に小さな歴史や、人々の知恵。それはガイドブックに載っていない「宝物」でもあります。

上:高山市内をめぐるウォーキングツアーもあります。 下:冬季は【飛騨里山スノーシュー】

上:高山市内をめぐるウォーキングツアーもあります。
下:冬季は【飛騨里山スノーシュー】も開催。

2019/12/13UP 取材協力:株式会社 美ら地球(ちゅらぼし)

飛騨里山サイクリング

飛騨里山サイクリング

アクセス 〒509-4235
岐阜県飛騨市古川町弐之町8番8号
TEL 0577-73-5715
https://satoyama-experience.com/jp/
営業 3月20日頃~12月20日頃まで

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