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ユネスコ無形文化遺産「高山祭の屋台行事」の山車を目の前で見学!
高山祭屋台会館
飛騨高山で一番の大イベントはなんと言っても春と秋の年2回行われる高山祭。その見どころと言えば絢爛豪華な祭屋台。実はこの祭屋台、本物を常設展示で見ることができる場所があるんです!今日は春の高山祭より一足先に、2016年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「高山祭の屋台行事」の屋台を「高山祭屋台会館」へ見に行って来ました♪
秋の高山祭りから1ヶ月。高山市内が紅葉の最盛期を迎える中、秋の高山祭りが行われた桜山八幡宮の境内を訪れました。風格のある社殿と紅葉はコントラストが美しく、秋の散歩スポットとしてもおすすめです。実は今日の目的地はこの神社の境内にあるんです。全国でも珍しい本物の祭屋台を展示してある博物館施設、高山祭屋台会館です。
この施設のコンセプトは“保存展示”。お祭りの屋台というのは使わない時は普通傷んだりしないように専用の蔵に納められています。高山祭りの屋台蔵は湿度・温度・暗さなど屋台を保存するのに最適な状態を維持してくれるものとして、様々な工夫が施されており、保存されている屋台はすべて2~3百年も経っています!でも祭の日以外一年中ずっと蔵に入れていると、せっかくの貴重な文化遺産も見れる人が限られます。そこで本格的な施設を整え、レプリカではなく本物の屋台を一年中間近で見れて、さらに屋台以外の祭備品や高山祭の歴史やポイントなどもわかるようミュージアムにし“貴重な文化遺産の保存と展示を両立した施設”を目指すのがこの屋台会館です。さて、受付が済んだところで早速中を見学してみます!
入場券を買うと音声ガイド端末を貸してもらえます。各展示物にある数字を入力するとガイドを聞きながら見学することができます♪まずは最大の見どころ、祭屋台の現物展示。京都の祇園祭、埼玉県の秩父夜祭、そしてこの高山祭は“日本三大美祭”と言われ、絢爛豪華な祭屋台が町を曳き歩く姿は夢かと見まごうような煌びやかさ。この施設では年2回ある高山祭りのうち秋の八幡祭に使用される11台の屋台を年3回のローテーションで展示しています。
天井高11mもある最上部まで行けば屋台のてっぺんから車輪の真横まで祭屋台の全てが見れます。これは思った以上に大きくて大迫力!しかもそれぞれの屋台に特徴があり、音声ガイドがその由来や見どころを丁寧に説明してくれます。
高山祭りのハイライト“からくり奉納”で使われる布袋台のからくり人形は、9人がかりで36本もの操り糸で動かしているのに全然操っているところが見えません。紙吹雪が舞ったり巻物を次から次へと伝っていく様子はまるで生きているようです!
仙人台は昔は仙人と美女の操り人形がありましたが、飛騨国の代官が「風紀上よくない」というので仙人像が飾られるようになりました。いつの時代もお役人はお堅いんですね。
曳き回しの時に担がれる神輿は日本一の大神輿と言われ、重さはなんと2トン半!乗用車より重いものを80人で担ぎあげます。精巧さにおいても日本一で皇族の菊紋とかぶらないように花びらの枚数をわざと変えるなど細部まで細かいこだわりや匠の技が満載。
屋台展示以外にも祭りの様子が映像で見られるテレビ研修室や祭りの道具や文献が展示されている資料室も。映像で見るからくり奉納はまるで生きているようでびっくりします!祭りの歴史や大昔の飛騨国だったころのエピソード、衣裳や装飾品についてなど屋台見学と合わせてさらに驚きの秘密が満載。
帰るときには特製フレームに入った記念写真を購入することもできるので思い出づくりにもピッタリ。高山祭りに行きたくなること必至の祭屋台会館。観光コースに加えてみてはいかがでしょう♪
2016/12/9 UP 取材協力:高山祭屋台会館
高山祭屋台会館
アクセス | 住所:岐阜県高山市桜町178 TEL:0577-32-5100 高山駅から徒歩19分 |
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入場料 | 大人1,000円、高校生600円、小・中学生500円 |
開館時間 | 年中無休 9:00~17:00(3月~11月) 9:00~16:30(12月~2月) ※屋台の展示入替は、3月下旬、7月下旬、11月中旬の年間3回予定で執り行っています。 |
学芸員 瀬木登美子さん
高山祭屋台会館に30余年勤務。初めての外国人向けのパンフレットを手がけるなど活躍。
今回参考にさせていただいた文献「”展示”から”保存展示”への試み」の著者。