TOUGE FARM(峠ファーム)

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2026.04.03

TOUGE FARM(峠ファーム)の苺「紅ほっぺ」

当館が誇るパティスリー〈ベルアンジュ〉のケーキやスイーツたち。
その味を支えているのが、
2013年より厨房を率いるチーフパティシエ 宅野。
パティシェ宅野には昨年、ひとつの苺との出会いがありました。
地元で丁寧に育てられた、その一粒に心を奪われ、ついにベルアンジュのスイーツに使用するように。
今回はその苺を栽培する農家、TOUGE FARM(峠ファーム)さんを取材させていただきました。

30秒で記事がわかる要約!

高山グリーンホテルコンシェルジュです。
本記事をの内容を簡単にお伝えさせていただきます!

高山グリーンホテルのパティスリー「ベルアンジュ」で使用している苺のひとつは、久々野町の農家 TOUGE FARM(峠ファーム)さんが冷涼な高地で丁寧に育てた「紅ほっぺ」。
甘み・酸味・水分量のバランスに優れ、パティシエが惚れ込んだ逸品です。
温暖化で苺作りが難しくなる中、高山の寒冷地は安定栽培に適しており、農家の挑戦とこだわりがスイーツの美味しさを支えています。

冷涼な高地が育む、苺づくりの現場へ

  • 冷涼な高地が育む、苺づくりの現場へ

標高750~850m。
冷涼な気候を活かした果樹栽培が盛んな、高山市久々野町。

カモシカも頻繁に顔を見せる山あいに広がるこの地域に、今回の取材先「TOUGE FARM(峠ファーム)」があります。

冬はしっかり冷え込み、夏は比較的穏やか。
この土地ならではの気候条件が、今、苺栽培の可能性を大きく広げています。

パティシエ宅野が惚れ込んだ「苺」

パティシエ宅野が惚れ込んだ「苺」
パティシエ宅野が惚れ込んだ「苺」
パティシエ宅野が惚れ込んだ「苺」

スイーツ作りに欠かせない果物【苺】
味わいはもちろんのこと、
実は仕上がりを左右するのは「水分量のバランス」。
たとえば飛騨桃は瑞々しさが魅力ですが、水分を多く含むためデザートとして扱うにはなかなか難しい素材。

適度な水分量・ほどよい酸味・そしてしっかりとした甘み。
その理想を満たしていたのが、TOUGE FARM(峠ファーム)さんの苺でした。


品種は「紅ほっぺ」。赤く艶やかで、甘さの中に酸味がきちんと残る、バランスの良い味わいが特徴の苺です。

現在、収穫された苺は、主にベルアンジュのパフェやタルト・ショートケーキに使用されています。

苺を取り巻く、いまの現実

TOUGE FARM代表の峠さん
TOUGE FARM代表の峠さん

ビニールハウス内では日中、適温である約20℃を維持。
たっぷりと日光を浴びせ、時間をかけて育てることで、苺本来の美味しさを引き出していきます。

そうして一粒一粒を見極めながら収穫するのが、TOUGE FARM代表・峠宗衛(とうげ むねひろ)さん。

大学時代に苺に関わる機会があり、その経験が現在の苺づくりの後押しになりました。


近年、温暖化の影響で苺栽培は全国的に厳しさを増しています。
猛暑によるダメージ、暖房費や燃料代の高騰も重なり、今後栽培を断念する農家も増えていくと予想されています。

その一方で、冬がしっかり寒くなる高山は、苺の安定栽培に適した土地。
「この先、寒冷地が苺栽培の主流になっていく」 そう峠さんは語ります。
暖房ありきのハウス栽培は、一定の温度を保てることが強み。

「子どもたちが、当たり前に苺を食べられなくなるようなことはあってはならない──」
その言葉には、強い責任感と覚悟がにじんでいました。

農業の歴史と、新たな選択

  • パティシェ宅野と峠さん

パティシエ宅野が惚れたのは、苺の味だけではありません。

苺づくりへの情熱、農業への向き合い方、そして挑戦を続ける姿勢。
収穫の確実性を高め、一定のクオリティを保つ。“スイーツのための苺づくり”は、まさに挑戦の連続です。

TOUGE FARM(峠ファーム)さんは、昭和46年、峠さんの曾祖父の代から続く農家。
約1町(44棟)のハウスで多様な作物を栽培してきました。
主力はトマトですが、冬場は栽培が難しく、人手が余るという課題がありました。

そこで峠さんは、かつてしいたけ栽培に使っていた設備を再利用し、苺栽培へ転換。通年で仕事が可能、かつ通年で人を雇える農業を目指しました。

現在、TOUGE FARM(峠ファーム)さんで育てている苺は約2,800本。ビニールハウス4棟分にあたります。

支え合いながら、学び続ける

  • TOUGE FARM(峠ファーム)の苺「紅ほっぺ」

峠さんにとっても苺栽培は初めての挑戦。
助言を求めたのが、JAひだの営農センターでした。
営農指導を受けながら、栽培技術を一つひとつ積み重ねる日々。

受粉はミツバチに任せ、人は管理に専念。
化学農薬はできる限り使わず、専門家と連携し、苺にも人にもやさしい農業を行っています。


「まずは収穫量を安定させること。その上で、今のスペースにさらに苺を増やし、燃料費を抑えながら収穫量を伸ばしていきたい。」
代表・峠さんが語る未来は、現実を見据えた、地に足のついた展望です。

高山の土地が育てた苺を、届ける

  • TOUGE FARM(峠ファーム)の苺「紅ほっぺ」

TOUGE FARM(峠ファーム)さんの苺は、高山の気候と、長い農業の歴史が生んだ結晶。
今や誰もが知る大手テーマパークにも商品を卸すほど。

その苺をパティシエ宅野が受け取り、現在のスイーツのみならず、料理のソースやジャムなど、さらに幅広い使い方で高山グリーンホテルを訪れるお客様へ届けていく。
地産地消の輪が、これからも続いていくように。

峠さんの挑戦は、これからも静かに、そして力強く続いていきます。

YouTubeではTOUGE FARM(峠ファーム)さんの動画を公開中!

店舗情報

  • TOUGE FARM(峠ファーム)の苺「紅ほっぺ」
店名
TOUGE FARM(峠ファーム)
住所
岐阜県高山市久々野町山梨2469-1
営業
期間
 月・火   9:00 ~ 16:00
 水・木・金 9:00 ~ 14:00
 土・日   9:00 ~ 12:00
電話
070-2228-0417

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