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原田酒造場の地酒「山車」
飛騨高山は昔から酒造りで有名な土地。物産館でも人気の銘柄を多数取り扱っていますが、一口に地酒といってもじつは製造工程や酵母の種類、お米の種類まで(!?)多種多様な組み合わせがあるんです。だから蔵ごとに味が違い個性があります。今回は市街の老舗の酒造場・原田酒造に地酒造りのヒミツをお伺いしてきました。
日本三大美祭りにも数えられる高山祭り。その豪華絢爛な祭屋台の山車(だし)が名前の由来になっている辛口の地酒「山車(さんしゃ)」。後味がさっぱりしていて飲みやすいと評判のお酒です。その山車を作っているのが、古い町並として知られる飛騨高山の上三之町にある原田酒造です。
この原田酒造の創業は安政二年(1855年)。アメリカのペリー提督が浦賀に黒船に乗って現れた二年後という大変歴史の長い蔵です。杉玉が吊り下げられた玄関をくぐると、すぐにその歴史を実感できることでしょう。黒光りして重厚さを感じる柱や梁、室内の雰囲気も江戸時代にタイムスリップしたかのような古さが感じられます。
通常の酒蔵では毎年作り変えてしまう新酒を知らせる杉玉も、この酒蔵では毎年は変えず30年近く同じものを梁から下げています。
その奥の工房で作られる銘酒の数々。日本酒を作るには普段私たちが食べているコシヒカリなどの炊飯用の品種ではなく、酒作り用の「ひだほまれ」や「美山錦」といった特別なお米が使われます。原田酒造の山車には地元の品種、ひだほまれをベースにおいしいお酒に仕上がるように職人が最適なお米を配合しています。
さらにこの銘柄の特徴は酵母の使い分けにもこだわりがあるところ。蔵の奥に行くとふんわりと香ってくる甘いにおいは、お酒を醸造する酵母に「花酵母」を使っている銘柄があるから。山車の酵母には通常の清酒酵母の他、フルーティな飲み口とふわっと広がる華やかな香りが特徴のアベリアの花から作った花酵母があります。どちらの酵母のお酒が好みか飲み比べしてみるのも一興ですよ。
多彩な精米、工程、酵母といった組み合わせから生み出される銘酒に、女性に人気の地酒を使ったリキュールも。それぞれお酒の特徴を舌で味わい、そしてどのような料理に合うか考えるのもいいものだと思います。楽しかった飛騨の旅を想い出したり、飛騨人との心の触れあいを噛みしめたり、大人の至福の時間を過ごすことができることでしょう。
2019/11/25 更新 取材協力:原田酒造場/文献協力(有)地域自然科学研究所
原田酒造場
電話番号 | 0577-32-0120 |
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住所 | 岐阜県高山市上三之町10 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
休日 | 年中無休(日祝営業) |
公式サイト | http://www.sansya.co.jp/ |