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飛騨の秋スイーツ決定版 2024年は9月7日(土)より販売開始!
稲豊園の栗よせ
ほっこりとした自然の甘みがたまらない、秋の高山スイーツの決定版と言えばなんと言っても栗よせ!あっさりとした上品な甘みはいくら食べてもくどくなく、甘いもの好きならうっかり1本食べ切ってしまいかねない絶品です。作っている和菓子屋さんごとに微妙な味の違いがあり、地元の人間は秋になるとそれぞれひいきのお店に足しげく通うとか(笑)私の勤めているお土産処、飛騨物産館でも9月からそんな秋のお楽しみが販売開始になりました。そんな中、今日は私のひいき“稲豊園さん”の栗よせ製造現場を取材に来ています。
すっかり日も暮れた11月の午後6:30。国分寺通り商店街にある和菓子処稲豊園では、秋の人気商品「栗よせ」作りが始まります。店舗の奥の仕切りを開けるとふんわり漂う香り。ボールいっぱいのあんこから漂う甘い香りと、奥のセイロから湯気と一緒に香ってくるほのかな栗の匂い。工場に入ったその時からワクワクが止まりません。
「昼間に作らないのを不思議がられる方もいらっしゃるんですが、この時間がやっぱりちょうどいいんです」
迎えてくれたご主人は取材が夜になったことをこんな風に説明されました。
「出来たてがほしいという方もいらっしゃるんですが、栗よせは出来立てでは召し上がれません。栗よせはいわゆる栗蒸し羊羹の一種で、蒸しあがった後8時間以上かけてゆっくりと冷やさないと味が締まらないんです。夜に一晩寝かせることによってあんこに栗の味が染み出し、食べた時のあの自然な栗の甘みと風味が出るんです」
なるほど。あの風味はこうして生まれるのですね♪そんなお話をしている間に目の前のセイロで栗が蒸しあがりました。
セイロから出された栗はなんとも鮮やかな黄色に蒸しあがっていてこの段階で既においしそう!機械だとどうしても渋皮が綺麗に取れず残ってしまうので、毎日30kgの栗の渋皮を剥くのに手で仕上げるそうです。すごい手間ひまですね。他にも一般的な栗羊羹は甘露煮を使い、羊羹の表面に栗が並べてあるものが多いのですが、稲豊園の栗よせは生栗を蒸してそのまま使うので栗本来の自然な甘みが楽しめるし、全体に栗を混ぜ込むのでどこを切っても栗がたっぷりと入っているのも魅力です♪
綺麗に蒸された栗はあんこの入ったボウルにこれでもか!というくらいゴロゴロと投入されていきます。仕入れた栗の種類や農園によってはつぶれやすさなども違うのでどんな時でもごろっとした出来上がりを楽しんでもらえるよう混ぜる時は加減を見ながら手で混ぜていくそう。あんこもやわらかさや砂糖の量など栗とのバランスを見ながら今の味に行き着いたそうです。
混ぜられたあんこと栗は布を敷いたセイロにつめられ蒸し器へ。重さははかりで均等にできますが栗の個数は感覚で偏りをなくしていくしかありません。どのセイロにもできるだけ均一に栗がいきわたるよう最後の調整と馴らしはご主人が手で行います。 「セイロにかぶせる布も新品ではダメなんです。使い込んで目の粗さがちょうどよくなったものでないと蒸しあがりが良くないんです(笑)」
蒸し器に入れればあとは出来上がりを待つばかり。蒸しあがりは約2時間。ちょっと休憩してご主人に和菓子作りのこだわりなどお話を伺います。 「和菓子の味というと秘伝のレシピとか企業秘密のように思われる方もいらっしゃいますが、うちは時代の流行とかお客様の好みに合わせて時には味を変えているんです。自分がこうと思っても、それが間違いかもしれないしお客様の声に耳を傾けて柔軟に対応するようにしています」 雑誌にも紹介される話題のヒット商品“招福猫子まんじゅう”も近所の小学校で和菓子教室を開いた時に子供たちの声から楽しい和菓子を作ろうと思ったことがきっかけ。みんなに愛される和菓子屋さんはそんなご主人の人柄が作り上げたものだったのですね。
こうしてできた栗よせ。口に運べばごろっと詰まった栗の風味としっとりとした羊羹の食感がなんとも上品で、秋の高山土産にはピッタリの逸品です。配送なども承りますのでお土産用はぜひ飛騨物産館でお求め下さい(^^)国分寺通りの稲豊園さんのお店には箱入りなどご贈答用もあります。また、小さいながらイートインスペースもあるので観光がてらお店に立ち寄り和菓子で一服してみるのも秋の高山散策ではおすすめです♪
2020/12/16 更新 取材協力:和菓子処稲豊園
和菓子処稲豊園
アクセス | 住所:岐阜県高山市朝日町2(国分寺通り商店街) TEL:0577-32-1008 |
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営業案内 | 9:00~18:00 (火曜日定休) |
おすすめ商品 | ・栗きんとん ・栗よせ ・招福猫子まんじゅう |