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高山祭の注目ポイント
ゆはら染工の飛騨染
高山観光の目玉と言えば、日本三大美祭にも数えられる高山祭。毎年たくさんの見学者が訪れるこの祭、絢爛豪華な屋台が有名ですが他にも見どころはたくさんあります。その中でも「カンカコカン」のリズムで親しまれる舞、闘鶏楽(とうけいらく)は地元の人間ならリズムを聞くだけで祭り気分になってワクワクするという目玉の一つ。今回はそんな闘鶏楽の鮮やかな衣装に代表される伝統工芸「飛騨染」のゆはら染工さんにお邪魔しました。
※ゆはら染工さんは2022年に店舗を移転されました。
本店 岐阜県高山市松本町103-3
電話 0577-32-2113
直営店 岐阜県 高山市 松本町 38-1
電話0577-36-2113
高山の中心街から車で10分ほど。伝統工芸や特産品などの工房が集まる越後町地域に飛騨染ゆはら染工の工房はあります。入り口の製品を展示してあるスペースから裏手の工房に回り、ご主人の案内で中に入ります。扉をくぐると圧巻。部屋一面に広がる鮮やかな絵柄の描かれた布。闘鶏楽の衣装に描かれる龍と鳳凰図です。
取材日は8月、この日の気温は30度。入って最初に思ったことは「とにかく暑い!」。窓を締め切り、エアコンもない室内。「(絵の具が温度に敏感なので)常温でないとダメなんです。風も、あまり吹くと揺れて絵が描けなくなるからダメなんです」と苦笑いのご主人。夏場の染めは厳しい環境。それでも品質にこだわりたいので冷房はつけないそう。「祭衣装は破れたり痛んだりするので消耗品ですが、染め自体はとても長持ちするものなんです。しっかり染めた顔料は変色しません。50年くらいもつんです」
飛騨染めはもち米で作った糊で下絵を描いた後、呉汁と呼ばれる大豆の搾り汁で溶いた顔料(岩絵具)を使って彩色します。もち糊には防染、呉汁には絵具を布地に定着させる働きがあり、鮮やかではっきりとした絵柄の染めが変色しないまま何十年と持ちます。さらに彩色した布地を真冬に屋外で寒ざらしにすることで発色が鮮やかになり、より美しい柄が再現できます。夏は30度の室内。冬は-10度の屋外と大変な環境ですが、日本古来の製法と自然が作り出す作用によって百年以上前から受け継がれてきた信頼の品質が生まれます。
工房を見渡すと絵付けの元になる型紙が置かれた一角が。ゆはら染工には飛騨地方の神社400社以上から依頼があり、その一社一社の法被や獅子舞、のぼり旗などの型紙を保管しています。「神社によって祭の作法が違うので型紙も千差万別。どこの神社のものをと言えばうちなら全部出せます。これなんかホラ、八幡神社で舞われる闘鶏楽の衣装なので鳩のマークで“八の字”が入っているでしょ」
ゆはら染工に保管されている型紙は慶応元年から代々引き継がれてきたもの。通常自分の神社の祭衣装の型は各神社で保管するが、中には痛んでしまった型紙の復元を依頼されることも。「型紙も米の糊を使っているので虫が着くとそこだけ切り抜いたように食べられてしまったり、ねずみや湿気などで傷んでしまったりするんです」現在飛騨染めを行っているのはゆはら染工だけなのでご主人がやめてしまったら祭の伝統が失われてしまう神社が出てしまいます。
毎年春と秋の祭の時期はてんてこ舞い!衣装の修復や納品などで立て込みます「ギリギリになって依頼してくる神社もあるので大変です。いざ祭の準備を始めたら衣装が痛んでいた!なんて依頼もあります」150年も紺屋をやっているゆはら染工への信頼は大きく、まるで神社の駆け込み寺。大変だけど守っていかなければいけない伝統、今は息子さんが5代目を継ぎ、ご主人と共に染めの作業をしています。
毎年多くの観光客が訪れる高山祭。屋台の見学はもちろんですが、こうした飛騨の伝統工芸に支えられる祭舞踊も本当に必見です!「カンカコカン」の闘鶏楽に迫力圧巻の獅子舞も。高山祭の衣装やのぼりは全てゆらは染工のもの。皆様も高山祭を見学される際はぜひ色鮮やかな祭衣装に注目してみてください。
暖簾や手ぬぐいなど飛騨染のお土産やグッズもあります
宮川朝市を見学しているとゆはら染工の直営ショップがあります。お土産用にアレンジされた祭衣装の他、飛騨の食べ物屋さんなどで見かける赤カブの暖簾や小物など手軽にお買い求めいただけるグッズが揃っています。
宮川朝市ショップ:岐阜県高山市下三之町86(高山駅から徒歩約11分)
(暖簾や手ぬぐいは飛騨物産館でも販売しております)
2015/9/10 UP 2024/9/27 更新
飛騨染ゆはら染工
アクセス | 高山駅より車で10分。 住所:高山市越後町2500-3 TEL:0577-32-2113 |
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Webサイト | http://yuharasenkou.sakura.ne.jp/ |