Vol1 味噌煎餅の美味しさのミソは“味噌”にあった話
2015/3/20 UP 取材協力:井之廣製菓舗
飛騨の銘菓「味噌煎餅」は昔から高山のお土産に親しまれた味。一見素朴な煎餅には実はとんでもないヒミツが。なんと煎餅を作るためだけに味噌を醸造するところから自分たちの手でやっているというのです。今回は高山市のお隣、飛騨市古川町にある創業100年の井之廣製菓舗さんに取材に伺いました。
このお土産が買えるエリア:銘菓・駄菓子エリア
素朴な味わいと軽い食感から1枚食べ出すと袋の口を閉じるのが惜しくなる。ほんのりと甘い生地の奥からほのかに香る味噌の風味についつい手が出てしまう。「味噌煎餅」は昔ながらの飛騨のお土産。そんな味噌煎餅を1世紀以上前から製造販売しているのが、創業105年の老舗の煎餅屋「井之廣製菓舗」です。
高山市の隣にある飛騨市古川町。飛騨古川とも呼ばれ昔から宿場町としてにぎわってきたその地に、井之廣製菓舗の工場件店舗はあります。町屋風の入り口を入れば贈答にも喜ばれる箱入りや袋売り、生姜味などの各種味噌煎餅が並びます。
その店舗の奥にある扉をあければそこは製造現場。職人さんたちが1枚1枚手作業で煎餅を仕上げています。シロップをハケで表面に塗っていく砂糖付けでは、普通のシロップの他生姜味も。なんと生姜シロップは砂糖水に生姜を混ぜるのではなく、100%生姜の絞り汁を砂糖と煮詰めたもの!相当な量がありますが毎日生の生姜から絞り汁を作り、黒くなるまで煮詰めています。
砂糖付けした煎餅は乾くまで煎餅同士がくっつかないように、まるで魚の鱗のように規則正しく並べていきます。箱に綺麗に収まるように絶妙な並べ方ができるのは経験の賜物。
この煎餅のこだわりは原料を国産のみで作ること。小麦粉は北海道、生姜は高知と国内の特産品にこだわり仕入れています。そしてなんと生地に混ぜる味噌は自家製!味噌煎餅を作るために味噌作りから自分たちでやっているのです。
煎餅に合わせ塩分や大豆量を調整。最初は薄い色ですが、じっくり熟成することで色が黒く変化します。熟成が足りなくてもだめ、熟成しすぎてもだめ。ちょうどいい黒さになったところで煎餅作りの生地に混ぜる。熟練の判断が必要な工程です。
こうしてできた味噌煎餅。大切な方へのお土産に箱入りを贈られるのもいいですし、団欒の場には袋入りも欠かせません。旅の思い出話に花を咲かせながら飛騨の味をみんなで手に取るというのもいいものですよ。
今回紹介したこだわり土産
井之廣製菓舗「味噌煎餅」
ご自宅用にピッタリの袋入りからお歳暮やお中元にさしあげても喜ばれる箱入りのものまで。県知事賞受賞の商品は贈り物にしても間違いありません。プレーンはほんのり甘く、パリッと割れた瞬間お味噌の風味が感じられるお味。生姜味は口に運ぶと甘みに加えピリッとした生姜の風味が広がるお味。
飛騨物産館では館内の試食コーナーが充実しておりますので今回ご紹介させていただいた味噌煎餅もお味見いただくことができます。