こだわり土産の裏話

Vol5 飛騨紅茶が奥飛騨温泉の湯けむりで作られていた話

2016/4/22 UP 取材協力:なべしま銘茶

日本はお茶作りが盛んな国なのに、日本茶と言えば緑茶一択。実は日本の気候は紅茶作りには適しておらず、自然状態ではお茶を発酵させることができません。そんな中、高山市推奨土産になった純国産の「飛騨紅茶」。国産紅茶を作るのは難しいはずなのにどうやって商品化したのでしょう?製造販売しているなべしま銘茶さんに “和紅茶”のヒミツを伺いました。

このお土産が買えるエリア:酒・飲料エリア

飛騨紅茶が奥飛騨温泉の湯けむりで作られていた話

世界中どこにもないオリジナリティ

日本はお茶栽培が大変盛ん。日本にしかないノウハウや技術はたくさんあるのに、それはほぼ緑茶作りにしか活かされていません。こんなにお茶栽培が盛んな国、もっと個性的なお茶を作ることができないだろうか?これまでの日本茶とも外国のお茶とも違う、個性的なお茶を作りたい!そんな思いから生まれたのが温泉の湯けむりを使った“ここにしかない技術”で作る「飛騨紅茶」です。

高山で創業100年、下一之町地域の老舗お茶屋さん「松翁園なべしま銘茶」で苦節8年を経て生まれた飛騨紅茶。お店に伺うとそこには様々な種類の和紅茶が。紅茶の産地と言えばインドやスリランカなど1年を通して気温が高く、気候も安定している地域が有名ですが、四季のはっきりしている日本では紅茶を発酵させることは難しいはず。一体どうやってこれらの製品を作っているのでしょう?

店頭に並ぶ様々な和紅茶

温度、湿度、お茶の収穫時期と日本の茶葉は緑茶を作るのに改良を重ねたものなのですが、紅茶作りにはそういったノウハウは通用しません。日本で紅茶を作るには自然状態では進まない発酵を促すために人の手を加える必要があります。そこで登場するのが奥飛騨温泉の湯煙です。日本は温泉大国。その中でも奥飛騨温泉郷という大きな観光資源を持つ飛騨。この地元の資源を活かして何か名物を作れないか、和紅茶プロジェクトはそういった思いからスタートしたのでした。

まずは収穫から自然乾燥、揉み

まずは茶葉の収穫。緑茶の場合はなんといっても一番茶がおいしいですが、紅茶の場合は好みが分かれます。すっきりとした飲み口と強い香りが特徴の一番茶。逆に香りは落ち着き、渋みが増す二番茶。使われるのは紅茶向けに特別栽培された“べにふうき”。

温泉にお茶っぱという不思議な光景

次に一番特徴的な発酵の行程。なんと本物の温泉で、発酵を進めます。日本には高温、多湿な気候がないので紅茶作りは本来難しいのですが、飛騨紅茶は地元の観光資源を活かしたこんなユニークな方法で見事クリアしています。
このスタイルに行き着くまでには様々な紆余曲折がありました。温度も湿度も、一度うまく行っても同じようにしても次はそうもいかない。マニュアル通りには作れない。細かな調整が常に必要。和紅茶作りは根気との戦いでした。

うまく発酵が進めば茶葉はしおれて赤くなっていきます

こうして赤くなるまで発酵させた茶葉は最後に乾燥させ、製品として店頭に並びます。奥飛騨温泉の湯けむりで作る、まさにここでしか作れない特産品。なべしま銘茶ではさらに製品開発を進め、岐阜のお茶所「揖斐」とコラボした揖斐産紅茶葉で作る「琥珀の月」という新商品も販売!地元の良さを活かした世界中どこにもないオリジナル商品です。高山にお越しの際にはぜひ1袋お土産にどうぞ。

今回紹介したこだわり土産

なべしま銘茶「飛騨紅茶」

平成24年 高山市推奨土産 JTB日本おみやげアカデミーグランプリ 金賞受賞

なべしま銘茶「飛騨紅茶」

茶葉の発酵に奥飛騨温泉の湯けむりを利用したユニークな紅茶。一番茶の紫ラベル、二番茶の赤ラベルの他にブレンドの青ラベルも。リーフタイプ、ティーバッグどちらもご用意しておりますのでお好きな方をお選びいただけます。缶や袋入りの他、飛騨の名物をあしらったかわいらしいお土産用パックもオススメ◎
飛騨物産館では不定期で試飲会なども開催。飛騨紅茶の試飲の他、おすすめのお茶うけなどもご紹介します。

お店に試飲に伺った取材レポートはこちら!

あけてびっくり!地元情報!飛騨のたばる箱

松翁園なべしま銘茶

松翁園なべしま銘茶

電話番号
0577-32-4086
住所
岐阜県高山市下一之町 12番地
営業時間
10:00~17:30
休日
不定休

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